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ニュースリリース

PCリサイクル費用を民活利用でゼロコストに
リサイクルコストはPC1台あたり約1万円

 PCのリサイクルに、なぜコストがかかり、どの程度の金額になるのか。おもなPCメーカーなどが加盟するリサイクル推進団体、一般社団法人パソコン3R推進協会(以下、3R推進協会)の資料や、平成12年改正の「廃棄物の処理及清掃に関する法律」(以下、廃棄物処理法)、同年に施行された「資源有効利用促進法」(以下、リサイクル法)に基づいて、改めてふり返ってみる。

 廃棄物処理法は、廃棄物の資源化および適正処理について「自己処理責任」の徹底を求めている。そのため、リサイクルマーク※がついていない平成15年以前に製造されたPCや、3R推進協会に加盟していないメーカーが供給したPCについては、リサイクル法に基づき、法令で定められた費用を事業者が負担したうえで、リサイクルルートに乗せることが義務となっている。

 リサイクル法はPCなど10業種・品目についてリサイクル義務を課しているが、ほかの対象製品と異なり、PCをリサイクルする際は、もうひと手間かけなければいけない。「排出者責任」に基づいたデータ消去だ。集荷し再資源化する過程で、PC内部のハードディスクに集積された市民や顧客についての個人情報や機密情報が漏えいするリスクがあるためで、当然、データ消去には費用がかかる。

 つまりPCリサイクルには、①リサイクル費用②データ消去費用という二段構えでコストが発生するのだ。その金額は、PCの機種・型番・データ容量などによって異なるが、おおむね「PC1台あたりの総額は1万円前後」(大手PCメーカーの担当者)とされる。単純計算すると、PCを100台入れ替える場合は100万円のコストが発生するのだ。

 こうした、意外と高くつくPCリサイクルコストを、民間業者を活用し、ゼロにおさえた自治体がある。
ここでは高崎市(群馬県)と大山町(鳥取県)の事例を紹介しよう。

※リサイクルマーク:平成15年10月以降に販売された家庭向けパソコンに貼付されているマーク。
このマークのついたパソコンは新たな料金を負担せずに廃棄できる

高崎市・大山町概要

財政にも環境にも優しい

 高崎市では、市内の小中学校・幼稚園の42校で使用済みとなっていた約1700台のPCのリサイクルが懸案となっていた。リサイクルコストの見積もりは約2000万円にのぼったとされる。そこで同市では、いわゆる2014年問題※で各自治体にOS切り替えを働きかけていた日本マイクロソフトに相談。福岡を拠点に、自社工場で再生PCの製造を行っているメディエイターを紹介された。同社は、高崎市内の各学校などを回って使用済みPCを全台回収し買い取り。高崎市は買い取り代金と回収費用などを相殺することで、ゼロコストで処分できた。同様に大山町もメディエイターを利用して、職員用の使用済みPC約140台を処分。コスト負担をゼロに抑えた。
 回収されたPCは、米国防総省など10ヵ国以上の政府機関や、一般社団法人情報機器リユース・リサイクル協会から認定されたソフトを使用してデータ消去され、一部は再生PCとして再利用される。財政にも環境にも優しい方法だといえる。

※2014年問題:Windows XPのサポート期間が2014年4月に終了したことにともなう問題。サポート期間が終了した後もWindows XPを搭載したPCを使用することは、ハッキングによる情報漏えいなど、深刻な問題を引き起こす危惧があるとされる

リサイクルおよびデータ消去コストの比較ケース・スタディ

官民連携で循環型社会の実現に貢献したい

マイクロソフト社が提唱するPC再生プログラム

メディエイター代表取締役 黒木英隆 プロフィール

━ なぜ、PCのリサイクルコストをゼロに抑えることができるのですか。

 使用済みPCを買い取り、自社工場で再生、販売しているからです。PCの回収費用は排出者に実費負担していただきますが、買い取り台数が多ければ、費用を相殺することができます。
 逆に、差し引き金額をお支払いするケースもあります。

━ 自治体のPCには住民情報や行政上の機密情報が集積しています。
どのような方法でデータ消去しているのですか。

 安全なデータ消去のための主要な国際基準をすべてクリアしているBlanccoという消去ソフトを使っています。データ消去作業は、再生工場内の専任スタッフしか入室できないデータ消去室で行います。さらに、監視カメラを複数台設置し、ヒューマンエラーによる情報漏れが起きないよう、万全を期した体制を構築しています。一連の再生プロセスは、マイクロソフト社による厳格な現地調査や品質調査に合格。同社が提唱するMARプログラム(MicrosoftAuthorizedRefurbisher)の認定を受けています。
 データ消去後は、部品交換、OSの再インストール、クリーニングなどを行ったうえで100項目の検査を実施。その厳しい基準をクリアし、Core2Duo以上のCPUを搭載した製品は「ハートフルPC」という名称で店頭販売しています。

━ MARプログラムとは、どういった制度なのですか。

 毎月の平均で1000台(年間1万2000台)以上のPCを再生する大規模なPC再生事業者を対象にした認定制度で、認定事業者から出荷されるいわゆる再生PCには正規WindowsのOSのセカンダリライセンスを提供するプログラムです。当社を含め、現在10社の再生事業者が認定されています。
 このプログラムに参加した事業者には、①マイクロソフト社と強力な関係を築ける②再生中古PCに正規のセカンダリライセンスを使用できる③ソフトウェアの展開プロセスを簡素化する独自のインストールツールにアクセスできる、などのメリットがあります。ちなみに当社は今年、マイクロソフト社が主催する「MARTopPerformerAward」で、アジアNo .1を受賞しました。

━ 御社の再生PCで情報漏れなどの事故が起きたことはありませんか。

 はい。現在、月間で約7000台、年間では10万台近くの使用済みPCを再生していますが、過去にトラブルは1件も発生していません。

━ 自治体の使用済みPCについて買い取り実積や回収体制を教えてください。

 まとまった台数の買い取り実績としては高崎市(群馬県)、大山町(鳥取県)などの事例があるほか、奥多摩町(東京都)のケースでは、ノート型PCを19台、無料で引き取りました。
 回収可能エリアについては、現在、支店や店舗がある場所を基点に自治体にうかがっています。処分するPCの台数によっては店舗のない地域にもおうかがいしますので、自治体の方は、気軽に相談していただ きたいですね。

RITEA理事として経産省とも協働

━ 使用済みPCの処分に困っている自治体へのメッセージを聞かせてください。

 当社は情報機器の再資源化の推進を目的にした一般社団法人情報機器リユース・リサイクル協会(RITEA)に加盟。私は同協会の理事として、経済産業省と連携しながら、再生PCの普及・啓蒙活動に取り組んでいます。
 使用済みPCは、破砕して金属資源などを取り出すリサイクル方法だけではなく、適切なデータ消去やクリーニングなどの再生処理をすれば、そのままの形で再利用することができます。
 低料金の再生PCの供給を通じて、だれでも気軽にPCを使用できる社会環境を整備したい、というのがわれわれの想い。これからも自治体などと連携し、循環型社会の実現に貢献したいですね。

回収から商品化までの流れメディエイターのパソコンリサイクルラインを写真で解説

自治体通信 vol.1 2014年10月号